「BARRY/バリー」シーズン1
今回は大好きな海外ドラマ「BARRY」を紹介します。本作はハマりにハマり、シーズン1は恐らく10数回は見ています。色んな人にも(しつこく)オススメしました。そんなオタクの重〜い愛を込めた感想記事をお届けします(笑)
基本情報
製作国:アメリカ
放送局:HBO
話数:8話
放送時間:各話30分
製作総指揮:アレック・バーグ、ビル・ヘイダー
監督:アレック・バーグ、ビル・ヘイダー、ヒロ・ムライ、他
脚本:アレック・バーグ、ビル・ヘイダー、他
メインキャスト:
- バリー:ビル・ヘイダー
- ジーン:ヘンリー・ウィンクラー
- フュークス:スティーヴン・ルート
- サリー:サラ・ゴールドバーグ
- ハンク:アンソニー・キャリガン
- ジャニス:ポーラ・ニューサム
製作でタッグを組むアレック・バーグはドラマ「シリコンバレー」なども手掛けるヒットメーカーです。更に、シーズン1の5話、6話では、ゴールデン・グローブ賞やグラミー賞受賞歴のある、日系アメリカ人のヒロ・ムライが監督を務めています。
キャストではベテラン勢のヘンリー・ウィンクラーやスティーヴン・ルートが脇を固めています。ヘンリーはドラマ「ハッピー・デイズ」のフォンジー役で超有名らしいです。(残念ながら、私は見たことありませんが...。)
また、サリー役のサラ・ゴールドバーグはこれまでは主に舞台を中心に活躍していたとか。ハンク役のアンソニー・キャリガンは、ドラマ「ゴッサム」のザーズ役が印象に残っています。ジャニス役のポーラ・ニューサムは、出演作品リストを見ると日本でも有名な海外ドラマタイトルがずらり。きっと「どこかで見たことあるぞ!」という方ではないでしょうか。
あらすじ
演劇は舞台の上で人生を創造することだ
このような経緯から、孤独なヒットマンが俳優を志すというストーリーです。
感想(※ネタバレあり)
今現在は落ち着いていますが、2018年の秋ごろは「BARRY/バリー」ばかり見ていました。本当に好き。たぶん、これ以上にハマる作品は今後ないと思います。
ということで、何故こんなにハマったのか、言語化できる範囲でお伝えします(笑)
そんなオタクとして、まず、作品を語る前に少し言っておきたいことがあるのです。それは、本作は「コメディ」だけど、「コメディらしいコメディ」を期待すると肩透かしを食う可能性があるということです。
多様化するコメディ
「ジャンル:コメディ」と聞いたら、どんな作品を期待しますか?
これは十人十色の答えが返ってくると思います。
私の場合は、「わかりやすい『笑いどころ』が用意されている作品」を期待します。たとえば、映画「21ジャンプストリート」とか、「インビトゥウィーナーズ/思春期まっただ中」とかね。(すいません、ただの宣伝のための例示です。)
なので、「コメディ」って聞いたら、私は正直ストーリーよりも笑えるか?という点にスポットを当てている気がします。
でも、一部の「コメディ」作品って、笑うぞ!と意気込んで見ると、終わったころには「あれ?笑えないぞ?」ってなって、コメディじゃないじゃん!普通のドラマじゃん!と、なんだか少しがっかりすることが…結構、あったりします。(私だけ?)
とくに最近は「笑いどころ」は用意されているけれど、そんな「ストーリー重視」のコメディ作品が増えてきている印象です。あくまで主は「ストーリー」であって、「笑い」は一要素。そんな作品が目立ちます。
グタグタ書きましたが、要は、笑うことだけが「コメディ」の醍醐味ではなくなってきているのでは?ということをお伝えしたかったのです。
「BARRY/バリー」も、そんな「ストーリー重視」のコメディ作品です。だから、オタクとしては、「BARRY/バリー」にあまり笑い中心のコメディの先入観を持って見てほしくないと思っています。
「BARRY/バリー」の笑いどころ
上でグタグタ言いましたが、いくらストーリー重視と言えど、「BARRY/バリー」はコメディ作品なので、しっかり笑いどころも用意されています。英コメディ「ジ・オフィス」なんかと比べると、笑いどころは断然わかりやすいです(笑)
たとえば、演劇クラスの妙な生徒たちとか。がめついクジノー先生とか。どこか抜けてるギャングの人たちとか(特にハンクは最高!)。
あとは、何と言ってもバリーというキャラクターが笑いを誘います。いつも貧乏くじを引いたり。気弱だったり。毎回同じ服着てたり(バリーの青シャツ!)。もちろん、顔芸もね(笑)凄腕のヒットマンのはずなのに、なんだか情けない部分のほうが強調されていて、笑えます。とても好き。
このように、わかりやすい笑いもふんだんに盛り込まれているんですけど、先程からお伝えしているように、これはメインの要素ではないと思うのです。あくまで、笑いはストーリーを盛り上げるアクセントなんですよね。
というのも、「BARRY/バリー」では笑いをバイオレンスな世界感との対比に使っている気がするんです。
おかしなキャラクターたちと、バイオレンスな世界の異なる2つの要素が同居しているギャップもおかしくて、それがこの作品の大きな魅力になっています。
わかりやすい笑いと、この「矛盾」が生み出す違和感にクスッとなる感じ。(…伝わるかな?)これらが「BARRY/バリー」の笑いどころではないでしょうか。
生々しい人間ドラマが魅力
先程、ギャップが笑えると言いましたが、そもそも「俳優になりたいヒットマン」という、ちぐはぐな設定自体が笑いものですよね。
でも、そのちぐはぐな設定にリアリティを与えているのが、作品のベースにある生々しい「人間関係」なのです。このリアルな「人間関係」がきちんと描写されているので、ありえないような設定のフィクションをとても身近に感じる、なんとも不思議な感覚に陥ります。(…伝わるかな?)
というのも、バリーは演劇クラスに通い始めて、人と関わると生まれる、よくある悩みを経験しているんですよね。人に利用されたり、言い返せなかったり、空回りしたり。
そんな姿に凄く共感できる。私もダサい人間だから、バリーを見ていると、自分の過去の傷を掘り起こしたような気分になって、すごく親近感がわく。だから、バリーが悪いことをしているのはわかってるんだけど、憎めないし、幸せを願ってしまうのです。
これが、「ストーリー重視」と言っている理由なのです。もちろん、続きを期待させるストーリー展開が素晴らしいというのもありますが、共感できる人間ドラマを随所に織り込んでいるんですよね。
私は、この作品の本質は「人生のドラマ」だと思っています。アクションなどのエンタメ性もあり、おかしなコメディ要素もあり。でも、それを更に深みのあるものにしているのが、悩めるバリーへの共感性なのです。
まとまりがない文章になりましたが。私はそんな悩めるバリーというキャラクターに魅せられてしまったがゆえに、いつしかおかしなオタクへとなり果てていきました。
好きすぎるものを、改めて何故好きなのかと、言語化するのは非常に難しかったです。ほぼストーリーに言及せず、抽象的な視点で語ってしまったし。
たぶん、ここまで読んでも「何言ってるの、こいつ」っていうのが本記事への感想だと思います。重々承知です。でもね、この一言を伝えたい。
「BARRY」を見てください。
お気に入りエピソード
抽象的な議論だけでも面白くないので、ここでは好きなエピソードについて具体的に語りたいと思います。シーズン1で1番好きなのは第4話です。
私はこのエピソードを見て、「BARRY」という作品、そして、バリーというキャラクターに恋に落ちました。
…残酷(笑)このダサいムーブへの徹底的な仕打ちを見て、バリーにある種の同情心を抱くようになりました。
更に、私としては「いいなと思って買った服を早速着ていったら、周りから笑われる」という悲しい状況を実際に経験しているので(笑)わかる、わかるよ、バリー、ってなりました。
たしかに、妙なアンクルパンツはバリーの体形にはちょっと似合わないし、トンボ柄のシャツはバリーのイメージとは違うよね。
でも、ずっと孤独に過ごしてきたんだから、そんなことを教えてくれる人が周りにもいなければ、自分に何が似合うかなんてわからないし、店員は似合ってなくても「お似合いですよ」と言ってくる。
仕方ない。ビターな思い出として、心の奥底にしまっておこうよ。大丈夫、いつか笑い話にできるときがくるから。…というように、このダサ服エピソードへの(ものすごい)共感によって、沼へずぶずぶと落ちていきました。
ちなみに、この付き合って間もない(そもそも付き合っていない?)相手に高額なラップトップをプレゼントするネタは、実際にビル・ヘイダーがやった失敗がベースになっているのだとか。ビルさんはiPodをプレゼントして、引かれたそうです(笑)
おわりに
これを読んで「BARRY/バリー」を見ようと思う人が現れるとは思えませんが、もしそんな人が1人でもいれば、この上なくうれしいです。
おかしなオタクがベラベラ語っただけになりましたが、作品としては本当に素晴らしいので、ぜひ(5回でも、10回でも)見てみてください。よろしくお願いします。
今回はこの辺で。では、また。
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