「ジェレミー・クラークソン 農家になる」(2021)
あのトップギアやグランド・ツアーのジェレミーが農業を始めた?!
ジェレミーと農業という組合せに驚きつつも、早速再生しました。その結果、面白くてイッキ見。予想以上にまじめに農業しています。
本作がとても良かったので、今回はジェレミー・クラークソンを知らない人もぜひ見て!という思いから、ジェレミーがどんな人なのかを超ざっくり説明しつつ、本作を見ての感想をお届けします。
と言いつつ、感想はネタバレのオンパレードなので、いつものごとく対象読者が絞り切れていない記事になります。
…私のブログは大したこと書いてないので、ぜひ番組を見てみてください!(笑)
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基本情報
製作国:イギリス
放送局:Amazon
話数:8話
放送時間:各話45分
メインキャスト:
- ジェレミー(農業初心者)
- ケイレブ(カントリーボーイ)
- チャーリー(悲観的なおじさん)
- リサ(ジェレミーの彼女)
- ジェラルド(すごい訛ってるおじさん)
ざっくり説明すると、農業初心者のジェレミーが愉快な仲間たちともに、農業や牧羊にチャレンジする番組です。天気やパンデミックの影響に頭を抱えながらも1年を通して農業に取り組むジェレミーの姿を追います。
ジェレミー・クラークソンとは
この番組を見る人のほとんどがジェレミーのファンだと思うのですが、当ブログでは、ジェレミーを知らない人もこの番組を見てほしい!という思いから、ジェレミー・クラークソンがどんなおじさんなのかを簡単に紹介します。
ジェレミーは英BBCの車番組「トップギア」の元プレゼンターです。
ペーパードライバーの私もトップギアは大好きで、シリーズ7あたりから…22あたりまでは見ていたと思います。というのも、このトップギアは車に詳しくなくても楽しめる車番組なのです(笑)
どんな番組かと言うと…車を爆破したり、妙な改造車で公道を走って渋滞を引き起こしたり、おんぼろ中古車で道なき道を走ったり…など、バラエティ要素のほうが強いのです。
話が逸れました。もちろん、車を爆破する以外にもちゃんと車(主にスポーツカー)のレビューもしています。なので、見ているうちに教育されて、メジャーな自動車メーカーは把握できるようになります(笑)
ということで。端的に言えば、ジェレミーは車おじさんです。スポーツカーが大好きで、ガソリンエンジンと馬力を愛し、あまり器用な印象はありません。そして、ジェレミーは何かと問題を引き起こす人物でもあり、トップギアも何年か前にトラブルを起こしてクビになっています。かなり毒舌だし…ね。
クビになったジェレミーは同じくプレゼンターを務めていたリチャードとジェームズと一緒にAmazonで新番組「グランド・ツアー」を制作するようになりました。2016年あたりだったかな。当時は結構話題になりました。Prime Video的にも目玉番組だったと思います。
こちらもトップギアと大体ノリは一緒なのですが…。トップギア時代ほど面白くなかったというのが個人的な感想で、世間的にもそういう評価だったのか、2021年現在シリーズ4でスペシャル版を不定期配信するという形に落ち着いているようです。
そんな経緯もあって、最近ではこの3人がそれぞれに車とは全く関係ない番組を作っています。ジェームズは日本旅行番組と、料理番組(どちらも面白いです)。リチャードは…謎の無人島脱出番組(これは1話で挫折しました)。本作もその1つというわけです。
感想(※ネタバレ)
長い長い前置きになりましたが、ジェレミーがどんな人物かはお伝え出来たかと思います。なので…初めて聞いたときは「何で農業…?」と思いましたし、正直どんな番組になるのか少し不安な面もありました。
が。ふたを開けてみると、そんな予想を大きく裏切るちゃんとした農業番組でした。しかも、すごく面白い。ジェレミーが農業番組を作ったらこんな感じになるな…というものがそこにあったのです(笑)
まじめな農業番組
笑える要素もあるんですけど、かなりまじめに農業をやっています。機材をそろえるところから始まり、作付から収穫まで。その合間に牧羊や養蜂にも挑戦したり、農場で収穫した作物などを販売する店を開いたりもしています。
番組だから盛りだくさんにしているのかもしれないけれど、見ているだけでも大変さが伝わってきます。あちこちで問題が起きるし…余計なことをして仕事を増やすし…(笑)そんなこんなで59歳のジェレミーが農場を駆け回ります。
そして、農業の難しさを知ることもできました。たとえば、作付けの時機を逸すると収穫量に大きな影響が出たり。予期せぬ雨や日照りでものすごい損失になったり。それらに加えて、法律で厳格なルールが定められていて、ちゃんと従わなきゃいけないし、書類提出も必要になってくる。
全部のことに物凄い手間がかかるし、自然相手に休みなんてありません。天気などの不確定要素に左右されるため、収入の見通しも立ちにくいし、その一方で農業用機材はバカ高い。…世界の農家さんを尊敬します。誰にでもできることじゃない。
クラークソン節は健在
本作の"まじめさ"を強調しましたが、これはジェレミーの番組です。もちろん、おふざけも満載で、面白いです。
普通のトラクターでは馬力不足と考えて、ランボルギーニ製のやたらデカいトラクターを購入するし、このトラクターでめちゃくちゃ狭い道も通ろうとするし(笑)教わったやり方を無視して、楽するアイデアを試して失敗したりします。
あと、謎の再自然化計画と題して、環境保全なのか破壊なのかよくわからない行動をし始めて物議を醸していたようです。
…トップギア(グランド・ツアー)と一緒じゃん(笑)
ジェレミーが「すごいアイデアを思いついたんだ」と言って何かを始めたら大体失敗するんですよね。題材は農業になったものの、やっていることと番組のテンポは安定のクラークソン節が効いています。
食べ物が食卓に届くまで
ふたたびまじめな話題に戻すと、私は本作を見て、改めて食卓に並ぶ食材について考えさせられました。…とくに、牧羊関連は複雑な気持ちでした。
まず、メスの羊70数頭の群れに対して、オス2頭で十分という事実に衝撃を受けました(笑)それはさておき。そのときに子供を産める状態にないメスの羊は、その時点で食用にされてしまうということを知って、悲しくなりました。
さらに、70数頭の羊が出産を迎えても、すべての子羊が生を受けるわけではありません。ジェレミーやプロの羊飼いさんがお産に立ち会っても、やはり、数頭は出産のときに助からないことがあるそうです。しかも…この助からなかった子羊の処遇には胸が苦しくなりました。…きっと、仕方のないことなんだよね?
そして、無事元気に育った子羊も、ある程度の大きさになると食肉にされてしまいます。大きくなった子羊はトラックに載せられて、お肉になって戻ってくるという…。
私は菜食主義ではありませんが、この一連の流れを見ると色々と考えさせられました。食卓にお肉として届くまでに、飼育されている方のものすごい苦労と、尊い動物たちの命の重みがあるのです。これからご飯を食べるときは、命を頂いているという意識を持って、今まで以上に感謝したいと思います。
ロンドンの交通事情
ちょっと暗くなってしまったので、最後に全然関係ない話を。ジェレミーの農場で働くケイレブという青年が、農場で採れたワサビを売りに、ロンドンに行く機会がありました。
このケイレブさん、生粋のカントリーボーイで、都会が苦手だそうです。道中も緊張で汗だくになっていました。…共感しかないですね(笑)
そんなケイレブさんが車を走らせてロンドンに向かうのですが、ロンドンでは環境に優しい車じゃないと渋滞税というものを納めないといけないらしいです。…びっくり!通行しただけで税金が取られるの?!しかも、20数ポンドと言っていたので、結構な額ですよね。
さらに。車を停めるのにもお金がかかる。これはどこでも一緒ですが、道路脇の停車スペースに1時間停めて10数ポンド。高っ!近代化が進んでいるのか、専用アプリのクレジットカード決済で駐車料金を支払うそうです。
…車に乗るだけでこんなに大変だなんて!めっちゃお金かかるし。でも、この政策でどの程度CO2排出量が減ったんですかね?気になるところです。私としてはカントリーボーイのケイレブさんが気の毒でした。結局ワサビは駐車料金程度にしかならなかったし(笑)
おわりに
ということで、全8話をエンジョイしました。農業やロンドン事情についても少しだけ詳しくなれた気分です(笑)続編はないのかなぁ。私としては全く同じ内容でいいので、農業2年目のジェレミーがどうなったかも見たいです。
日々の食事に感謝します。それでは、また。
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